フォトマッチ チームチャンピオンズカップ2025 NAGANO
本選出場チーム予選会(以下、予選会) レギュレーション
第1条
総則
本レギュレーションはフォトマッチ競技の開催に必要な事項を定めたものである。
第2条
理念
本レギュレーションで定める競技を「フォトマッチ」と呼ぶ。フォトマッチは以下の理念に基づき運営される。
「正しいから美しい。真剣だからより楽しい」
フォトマッチの参加者全員がFair Photographersの精神に則り、イコールコンディション(撮影機会と条件の均等)における真剣な競い合いの場を通して、真の風景写真の美しさを求め、より大きな撮影の楽しさと創造の喜びを得る。
Fair Photographers(フェアフォトグラファー)とは、風景を撮る者が個々に考え、行動することによって自然環境や地域に優しいフェアな撮影スタイルの確立を目指すプロジェクトを称する。北海道美瑛町で長年風景写真家から愛されてきた「哲学の木」に起きた悲劇的な出来事に危機感を共有する雑誌『風景写真』代表・石川
薫(当時編集長)と風景写真家・中西敏貴そしてグラフィックデザイナー・三村
漢の3人よって2016年に提唱された。その趣旨に共感した雑誌『フォトコン』編集長・藤森邦晃が、『風景写真』との合同企画の開催により写真界に広めることを提案したことによって、Fair Photographers の精神に基づく初のイベント「チーム
チャンピオンズ カップ」が2016年に実現した。本レギュレーションで定める「フォトマッチ」は2016年に試行予選会として開催した「チーム チャンピオンズ カップ2016」を始点としている。
第3条
予選会の名称
本予選会の名称を「フォトマッチ チームチャンピオンズカップ2025 NAGANO出場チーム予選会」(PHOTO MATCH Team Champions Cup 2025 NAGANO 予選 略称 TCC2025 NAGANO 予選)とする。
第4条
予選会の構成
予選会はプレーヤー5名でチームを組み、個々のプレーヤーが撮影した作品に対し、2025年6月21日に開催する予選競技会においてジャッジの評定を受けチームごとの順位を付ける構成とする。
第5条
予選会の主催
予選会の主催は月刊『フォトコン』編集部(株式会社 日本写真企画)および隔月刊『風景写真』編集部(株式会社 風景写真出版)が共同でおこなう。
第6条
実行委員会の構成と名称
主催者は実行委員会を構成し、その名称を「フォトマッチ チームチャンピオンズカップ2025 NAGANO 予選実行委員会」(以下、予選実行委員会)とする。
第7条
予選実行委員会の構成員
予選実行委員会の構成員として次の者を定める。
1.
予選会を統括する実行委員長として次の者をエグゼクティブ・プロデューサーに定める。
藤森邦晃(月刊『フォトコン』編集長)
2.
予選会の進行・演出責任者として次の者をエグゼクティブ・ゲームディレクターに定める。
石川 薫(隔月刊『風景写真』代表)
3.
予選競技会の司会者として次の者を定める。司会者は第12条に掲げる予選競技会の内容にしたがって競技の円滑な進行をおこなう。
永原耕治(隔月刊『風景写真』編集長)
4.
渉外・営業責任者として次の者を定める。
福澤強志(月刊誌『フォトコン』)
5.
予選競技会の進行責任者として次の者を定める。
杉山英一(月刊誌『フォトコン』)
6.
ジャッジとして次の2名の写真家を定める(50音順)。ジャッジは予選競技会において作品の評定と講評にあたる。
佐藤 尚
福田健太郎
7.
構成員については状況に応じて変更することがある。
第8条 予選監督組織
1. 予選実行委員会はフォトマッチの競技としての公平性および普遍性の担保と、競技結果の記録と保管を委託する組織としてフォトマッチ推進委員会(Photomatch Promotion Committee 以下、PPC)を設ける。
2.
第1項にもとづき、PPCは競技委員長および参加者の受付・記録・配信システム運用責任者、大会準備担当者として次の者を定める。
水島章広(一般社団法人 日本学生写真部連盟代表理事)
3. 競技委員長は予選会全体におけるルール運用の責任者として、予選会がルールや社会通念および第2条に掲げる理念に照らし適正かつ円滑に行われているかを判定する。
4.
競技委員長は個々のジャッジの評定の独立性を担保し、評定に際し予見を排除するための措置を講ずる。
第9条 参加チームと役割
1. チームは5名のプレーヤーにより構成する。
2. プレーヤーはPPCの管理のもと氏名、ニックネーム(インターネット上および誌面での公表名とし、任意設定とする)、メールアドレス、居住地域を予選実行委員会が定めた手続きで登録しなければならない。
3. チームはプレーヤーのなかからキャプテンを1名任命し予選実行委員会が定めた手続きで登録しなければならない。
4. チームはチーム名称を決め予選実行委員会が定めた手続きで登録しなければならない。ただしチーム名称が他チームに類似する等、予選実行委員会が不適当と認めた場合は変更を要請することがある。なおチーム名称が競技システム上の呼称として不都合となる場合、予選実行委員会で略称を定め使用する場合がある。
5. キャプテンはチームのリーダーとして予選会参加の準備から予選実行委員会との合意締結、作品提出時の指揮をおこなうとともに、チームの運営と行動全般に責任をもってあたる。
6.
プレーヤーおよびチームの各事項に変更がある場合は予選実行委員会に届け出なければならない。
第10条 作品
1. 作品はプレーヤーひとり1点ずつを必要とする。ただしプレーヤーのうち1名は第12 条5項に挙げるタイブレーク用に1点の追加を必要とする。したがってチームでは合計6点を必要とする。
2. フォトマッチは第2条に掲げる理念に則り、各々のプレーヤーに対し、風景写真表現の核となるセンスと技量を試す場とする。そのため自ずと評価の主眼は「発見の眼差し」の幅広さおよび鋭さと、それによる「出合の瞬間」をいかに作品にまで昇華させたかに置かれ、評価の対象はシャッターを切った瞬間に得られる画像に絞られる。
3. 対象とする作品は風景およびネイチャーをモチーフとしたものに限る。人物の表情や動きを主体とした作品は不可とするが、人物や人工物、建築物や建造物を被写体とすることは問題としない。
4.
作品の審査基準を以下に定める。
地域の特色や季節感、自然環境などが織り成す世界=風景を捉えた写真作品を対象とし、鑑賞者の感動を呼ぶシーンを発見する感性やその美意識に訴える表現力を評価する。なお作品の判定に当たっては以下の3つの観点を踏まえた上で、ジャッジの独自性を加味して決定を下す。
【発見力】被写体を見極める力、着眼点は秀逸か。
【構成力】適切な構図、フレーミングにより、撮影者がその場で抱いた感動を伝えることができているか。
【技術力】適正な知識や技量に基づいて機材を扱い、風景を捉えているか。
* 発見力、構成力、技術力の3つの観点には優先順位を設けず、ジャッジ各々が判定において重要視した観点を挙げ、講評のなかで説明する。
*発見力、構成力、技術力の3つの観点は「ジャッジの独自性」に優先するものとする。
5. 提出される作品には以下の条件を課す。
@ デジタルカメラで撮影された作品であること。スマートフォン、携帯電話、タブレット端末に搭載された撮影機能で作られた作品でないこと。
A 異なる複数の場面をひとつの画面に合成していないこと。ただし構図や撮影範囲を変えずに撮影した多重露光による作品および比較明合成・比較暗合成による作品はこの限りではない。
B 撮影者が被写体に対して行う演出行為がされていないこと。例として人を配した演出、被写体の移動や加工、予め現場になかった自然物や小道具の持ち込みなどが該当する。
C 人工光等での演出行為がされていないこと。例としてサテライト光やスレーブ光を利用した照明、多灯フラッシュは光源の種類にかかわらずこれに該当する。ただし、カメラに内蔵のフラッシュや別電源を使用した人工光での照明は使用可とする。人工光の位置はカメラ位置を起点とした撮影者の手持ちの範囲内とし、また光源を画面内に入れないこと。なおレフ板の使用は可とする。
D 前項の制約は撮影者の意図による演出に限定するものであり、街灯や建築物照明等の既設光源および交通機関等や人物の所持品等の光源や反射体について制約を課すものではない。
E PLフィルターやNDフィルターなど各種フィルターの使用に制限はない。
F RAWファイルからの現像、トリミング、レタッチ等の修正は可とする。
G ファイル形式はJPEGに限る。また第11条5項で選択された撮影日を確認するためExif情報を付帯していること。
H 作品は以下のいずれにも該当しない未発表作品に限る。
(ア) いかなる会場においても写真展(個展、グループ展)で展示した作品。
(イ) Facebook、Instagram、ブログなどを含むインターネット上に公開中の作品。
(ウ) 雑誌、書籍、新聞、チラシ、パンフレット、カレンダーなど印刷媒体に掲載された作品。
6. 提出された作品は予選実行委員会で解像度の調整(長辺4096ピクセル)のほかは、一切の編集や加工をしない。作品の天地および左右違いがあっても提出作品を提出(アップロード)した状態で審査され、その結果によって評点や判定の変更および競技のやり直しはおこなわない。
7. 提出された作品について第5項のいずれかの条件を満たさないことが疑われる場合、および第2条に掲げる大会の理念にそぐわない作品と判断される場合、予選実行委員会は以下の措置を講ずることがある。
@
予選競技会の開催前
作者に確認ののち違反が確定した場合は当該作品を失格とする
A
予選競技会の開催中
ジャッジから予選実行委員会に報告し、予選実行委員会で審議ののち作者の確認を経て違反が確定した場合は当該作品を失格とする
B
予選競技会の終了後
予選実行委員会で審議ののち作者に確認をおこない違反が確定した場合は事例として記録し全参加チームに報告する。なお結果および記録の変更はおこなわない。
第11条 予選競技会までの進行
1.
競技説明会の開催
予選および別に定める本選についてのルールや参加要項の説明会を2025年2月16日20時より電子会議システムZoomを用いインターネット上でおこなう。参加を予定しているチームのキャプテンまたはプレーヤーは出席することがのぞましい。
2.
参加チームの登録
2025年4月26日より2025年5月17日15時まで、参加チームは予選実行委員会がインターネット上に用意した申し込みフォームからチーム5名(うち1名はキャプテン)のメールアドレスの登録をおこなう。大会実行委員会は登録手続きが完了したチームのキャプテンおよびプレーヤーに作品アップロード等の案内をメールでおこなう。
3.
参加料金の支払
キャプテンは予選実行委員会が指示する方法により参加料金(チームあたり15,000円)の支払い手続きを2025年6月16日までにおこなう。なお8項にある予選開催を見合わせた場合、すでに支払われた参加料金は本大会の参加料金の一部に充当する。本大会の開催を見合わせた場合、振込手数料を差し引きキャプテンに返金する。
4. 予選ルールミーティングの開催
@ 予選ルールミーティングは2025年5月17日20時より電子会議システム Zoom を用いインターネット上でおこなう。予選ルールミーティングにはチームのキャプテンまたはプレーヤーの出席を必要とする。
A 予選ルールミーティングでは予選および本選の競技内容の説明等をおこなう。
B 第8項にある予選見合せとなった場合であっても、予選ルールミーティングを本選説明会に変更して実施するため、予選応募チームのキャプテンまたはプレーヤーは出席すること。
5. 撮影日の選択
@ 撮影日は2025年5月24日より2024年6月15日のあいだからプレーヤーが選んだ8日程とする。
A 撮影日の選択は撮影日の7日前までに実行委員会が用意したWebサイトからプレーヤーがおこなう。これはキャプテンが代行することも可能とする。
B 撮影日の変更は可能であるが、過去となった撮影日や直近1週間以内の撮影日の変更はできない。
6. 撮影行動
@ 撮影地域に制約は課さない。
A チーム行動または単独行動の制限は問わない。
B 撮影地および往復行程では感染症対策に留意しておこなうことがのぞましい。
7. 作品のアップロード
@ 作品は大会実行委員会が用意したフォームへ2025年6月16日24時までにキャプテンまたはプレーヤーがアップロードをおこない、これをもって作品の提出とする。
A アップロードする作品には作者(プレーヤー)を明示しなければならない。
B アップロード締切り後の作品の差し替えは一切認められない。
C アップロードした作品画像に欠損等の不備があると予選実行委員会が認めた場合、キャプテンに再提出の依頼と提出期限を明示したメールを送る。再提出に応じなかった場合はさきに提出された作品画像を予選競技会で扱う。このとき作品画像が全欠損(全く表示されない)と予選実行委員会が認めた場合は未提出として扱う。
8. 参加チーム数の制限
@ 参加チームの最低数を6とし、これを下回る場合は予選および本大会(本選)の開催を見合わせる。参加チーム数が6から12の場合、予選の開催を見合せ、参加全チームを本大会(本選)出場とする。
A 予選が見合せとなった場合は第4項にある予選ルールミーティング(2025年5月17日20時)を本選説明会に変更して開催するため、予選応募チームのキャプテンまたはプレーヤーは出席すること。
B 参加チーム数が20を大きく上回ると予選実行委員会が判断した場合、参加登録の受付を早期に終了させることがある。
第12条 予選競技会の構成
1. 予選競技会は2025年6月21日に予選実行委員会が定めた会場でおこなう。
2. 予選競技会の構成は、プレーヤー1名ずつ作品を開示し2名のジャッジから各5点満点、合計10点満点の評点と講評を受ける。これをゲームと呼ぶ。このゲームを全チームから各1名に対しておこなう。これをステージと呼ぶ。
3. 各チーム5名の作品を扱うため、ステージを5回実行する。
4. 作品はチームごと、アップロードした順序に従い開示される。
5. チームの順位はチームごと評点の平均点を求め小数点以下2位で四捨五入し降順に並び替えて決定する。5回のステージ終了時点で上位12チーム外となる可能性があり、かつ同じ平均点になった場合はタイブレークとし、タイブレーク用に提出された作品1点どうしをジャッジが協議して順位を決定する。
6. チーム順位が決定された時点で上位12チームを本大会(本選)出場チームとする。なおTCC2024優勝チームにおいて、残存プレーヤーが3名以上で予選募集締め切りまでに参加意志が表明された場合、当該チームを予選免除とし、上位11チームを本選出場チームとする
7. 本選出場チームに辞退が出た場合は次点チームを本選出場チームとする。
8. 競技中は各評点についてジャッジの氏名、作品についてプレーヤー名(ニックネーム含む)とチーム名はすべて伏せてすすめる。本選出場チームが決定した時点で出場チーム名のみ公表する。
9.
ライブ配信
予選競技会の模様は YouTube ePHOTOMATCHチャンネルで配信する。
10.
タイムテーブル(参加チーム数などにより変動あり)
10:00 開会
10:10 ステージ1〜2
(12:00〜13:00休憩)
13:00 ステージ3〜4
(15:00〜15:15休憩)
15:15 ステージ5
16:30 タイブレーク、順位確定
17:00 閉会
第13条 作品の扱い
1.
作品の使用権
予選で使用した作品は、PPC、『風景写真』編集部、『フォトコン』編集部の三者が無断かつ無償で使用することができる。ただしその用途は『風景写真』『フォトコン』誌への掲載またはフォトマッチの報道、宣伝、広報および学術研究に限られる*。
2.
作者氏名等の公表
誌面等への掲載等、登録された氏名またはニックネームおよびチーム名は、これらの媒体で公表される。
*これらは『風景写真』『フォトコン』誌では既発表作品として扱う。これらの作品について原稿料等の支払いはしない。それ以外のゲームにだけ使用された作品については『風景写真』『フォトコン』誌では未発表作品として扱われるが、それ以外のフォトコンテスト等においてはそれぞれの主催者の判断による。
第14条 予選会運営の費用および参加費の扱い
1. 予選会の開催に必要な費用は参加チームが支払った参加料を充当する。
2. 主催者の抗力が及ばない事態によって予選会の全部または一部が開催できなくなった場合、主催者は支払われた参加費の返金の責任を負わない。ここで主催者の抗力が及ばない事態とは天災、戦争、暴動、反乱、内乱、テロ、火災、爆発、洪水、盗難、害意による損害、ストライキ、立入制限、天候、第三者による差止行為、国防、公衆衛生に関わる緊急事態、国または地方公共団体の行為または規制および要請などを指す。
3.
開催で発生した収益は主催者に属し会計内容の公開はおこなわない。
第15条 免責
本レギュレーションの運用によって生じた如何なる事態や事故および損害等について予選実行委員会およびPPCは一切の責を負わない。予選会の全期間を通じプレーヤーの体調不良などの事情、撮影機材や情報通信機器の不調や故障・障害、ネットワーク遅延や不調等により予選会の参加に支障が生じても予選実行委員会およびPPCは一切の配慮を講じない。
附則
予選会での競い合いを示す用語として一般には「対抗戦」「対戦」など「戦」を用いるが、本レギュレーションでは「対抗選」「対選」など「選」を用いる。これは第2条に掲げた理念を鑑みTCCの競技は戦い合う競技ではなく選び合う競技である意図を反映した。
本レギュレーションは2025年4月26日より発効する。